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職場の問題(賃金・解雇)

大枠のとらえ方

証拠の確保が重要
 労働者側にとって、労働事件の中で特に多い類型は賃金不払いと解雇の2つです。これらを含む労働事件全般に共通して言えることは、「証拠の確保」の重要性です。
 賃金不払いの例としては、長時間働いたにもかかわらず、時間外割増賃金が法律どおりに支払われていないというケースがあります。このような事案では、何時間働いたのかとか、給料が実際にいくら支払われたのかといったことが問題になりますが、これらの証拠として、該当期間のタイムカードや給与明細書、さらには賃金規程などを手元に確保できていることが望ましいと言えます。もっとも、タイムカードをコピーしておくことなどは現実には難しいかもしれません。そのような場合には、勤務時間をメモしておいたノートなどでも代替できるかもしれませんので、諦める前にまず弁護士に相談してください。
 解雇事件の中には、労働者側に問題があることを理由とする懲戒解雇や、会社の事業規模縮小を理由とする整理解雇など、様々な類型があります。そこで、まず、いかなる理由で「解雇」をされたのかを、解雇理由の証明書の交付を受けて確定しておく必要があります。同時に、「解雇」に至るまでに何があったのか、会社との間のやり取りを記録しておくことも重要です。記録に際しては、ファクシミリやメールといった文書の形で保存できていることが望ましいことは言うまでもありません。また、いかなる場合について解雇できるのかを定めた、会社の就業規則などを確保できていれば理想的です。その上で、退職を受け容れて金銭的解決をはかるのか、あるいは、あくまでも復職を目指すのかといった方針を定めて、解雇を争っていくことになります。

証拠の重要性は雇用主側も同じ
 以上に述べた証拠の重要性は、雇用主側にとっても同様にあてはまります。従業員の非違行為を記録しておいたり、必要に応じて書面で注意(警告)したりしておくべきです。解雇等の重大な処分にあたっては、こういったことの積み重ねが重要でしょう。

迅速な対応が重要
 労働事件に有用な法的手続きとしては、保全(賃金仮払い等)、訴訟、労働審判などがあります。労働事件、特に解雇事件は生活の維持に大打撃を与えかねません。そのため、これら法的手続きを組み合わせて迅速に対応していくことが必要ですので、できるだけ早く弁護士に相談をしてください。